国産広葉樹を扱う製材所


秋田県仙北市・田鉄産業田口さん親子

秋田県仙北市にある1948年創業の田鉄産業有限会社は、約20種類の国産広葉樹を扱う製材所である。ワイス・ワイスの「AKI」に使われるクリのほか、ナラ、ヤマザクラ、クルミ、イタヤカエデ、ブナ、ケヤキ、センノキ、ミズキと実にさまざまな木が敷地内に積まれている。


「北東北を中心に広葉樹が伐り出されて、ここに集まってくる。海抜300 〜 500mの間には、本当にいろんな木があるんですよ」
と広葉樹を扱って約40年、広葉樹を知り尽くした同社の田口宗平さんが教えてくれた。


冬のある日、この道30年以上の木こりが樹齢50年のクリの木を伐り倒す現場に立ち会った。木を倒す方向を間違えると、木を破損させたり自身がケガをすることにもつながる。


特にワイヤーロープよりも硬いと言われるフジが絡まっていると、隣の木が引っ張られて飛んでくる危険もある。木を伐る現場では、緊張感や厳粛な雰囲気が漂う。


敷地内約20種類の広葉樹の製材

伐採され製材所に運ばれた木は、樹種ごとに積み上げられて製材されるのを待つ。冬の場合、木は凍結を避けようと水を吸うのをやめて含水率が下がっているため、そのまま置いても問題はない。しかし他の季節となると、木にシミが入り、虫がつく恐れがあるので、いち早く製材することが求められる。


木の皮をむき、角材や板材にした後に組み上げ、最低でも3か月は外に置いて自然乾燥させる。出荷前には乾燥機で含水率を下げて加工に適した状態にし、家具の場合は極度な乾燥や湿気にさらされても木が動かないように、含水率を10%以下にする。


広葉樹の価値をもっと見直してほしいと願う田口さん。


「広葉樹は伐って生えてくる。循環できる範囲で上手に使うことが理想だと思います」。

木の特性を生かして、人と木が安心できる関係がここにある。


田鉄産業の作業風景


【キャプション】(上から左下へ)
1.田鉄産業の田口宗平さん(左)、宗弘さん親子。
2. 敷地内には約20種類の広葉樹が製材の出番を待つ。
3. 工場では若い人も多く働いている。
4. 樹種の色や香りの違いを説明する田口宗平さん。
5. 角材、板材にする作業。


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